2016年6月19日(日)10:00~15:30
講師:Sue Lee(スー・リー)氏 ≪米国アートセラピー資格委員会登録アートセラピスト≫
今回で4年連続セミナー講師を務めていただいているスー・リー先生。ずっと受講してくれている方や2年ぶりという方、そして弊社のHPを見て今年度初めて参加してくれた方々と弊社のおこなっている「脳トレ大学」のリーダーたち、合わせて総勢15名で受講しました。
席についてまず気付いたのは、机の上にアルファベットの文字が書いてあるタイルが1人に1個ずつ置いてあったことです。
〈午前の部〉 10:00~12:00
◆グループコラージュ & 自己紹介
Art:参加者全員によるグループコラージュの作成&コラージュを振り返りながらの自己紹介
まず、1人ずつ ・今日呼んでもらいたい名前 ・受講のきっかけ ・アートセラピーのイメージについて発表しました。
その後、自分の印象をよく表現していると思う写真やイラストを、その場に用意してあった雑誌と切り抜きの中から1つだけ選び出し、1枚の大きい模造紙に1人1枚貼り付けていきました。出揃ったところで、それらを選んだ理由を述べていきました。それぞれになるほどなぁと思う意見もあれば、改めて自分自身をこう感じているのか!という驚きもありました。
◆ペアワーク:自画像
Art:2人組(または3人)のペアによる自画像作成
そして、そのコラージュを元に四つ切画用紙に絵を描きました。写実的に描くのではなく、感じているイメージを表すのです。さらに、自分の絵の意図について、ペアを組んだ相手に説明をしました。
その際、机の上のタイルのアルファベットと前のホワイトボードの文字と同じ物を見つけて、その文字が表す感情を一番最近感じたエピソードをお互いに話してくださいと言われました。そして、絵を交換して相手の絵の中に、何かペアの方の気持ちをすくい上げて、楽しくさせるようなプレゼントを書き加えました。
これは話す訓練・聞く訓練で、自分も聞いてもらえる体験があると、相手の気持ちを受け止めることができるというものです。人の絵に描き加えるというのは勇気がいることですが、お互いに気持ちを伝えあい、そして思い切って受け入れる体験が心を癒すことへつながっていると感じました。
Solution Focus (ソリューションフォーカス)
問題を深く分析するかわりに、「どうなりたいか」「何を手に入れたいか」という未来イメージを創造する過程を先行させ、そこから目の前の具体的行動を変化させるように導くプロセスがソリューションフォーカスの手法です。自分の中に持っている答えに向かってのゴールにどうたどりつくか、確認することは大事なことです。
〈午後の部〉 13:30~15:30
◆個人ワークとグループワーク
円を八等分した用紙を1人に1枚ずつ配り、各々好きな絵を描いたり、写真などを選んでコラージュしたりしました。そして、それをPizzaのように合わせてから、それぞれが自分の作品の説明をしていきました。
これは、グループの一体感や連帯感を高めるワークで、今回は円にしましたが、あらかじめ紙を円形でなく、ハートの形になるように用意して、最後にみんなでハートを作るのも良いそうです。
◆アイスブレークゲーム
2つのグループに分かれて簡単なゲームをしました。
はい・いいえで答えられる25個の質問を先生がします。それぞれのグループで「はい」の数をカウントしていき、最後に合計を発表します。これは、数の大小の問題ではなく、すでに顔見知りではあるが、お互いについてあまり知らない場合、共通点や意外性の発見につながり、話が盛り上がるきっかけになるものです。しかし、質問を作成するときには、差別性、攻撃性の少ないものを努めて考える必要があります。
1.ヨーロッパに行ったことがある
2. オートバイに乗ったことがある
3. 愛媛以外の県に住んだことがある
4. 芸能人にあったことがある
5. USJにいったことがある
6. 家庭菜園をしたことがある
7. たこ焼き屋さんで働いたことがある
8. 結婚式を企画したことがある
9. リムジンに乗ったことがある
10. 草刈り機に乗ったことがある
11. フルマラソンに出場したことがある
12. 整体に通ったことがある
13. 生徒会委員になったことがある
14. 富士山にのぼったことがある
15. 楽器が弾ける
16. のど自慢大会に出場したことがある
17. 犬を飼ったことがある
18. 外国語が話せる
19. 高校で体育会系クラブに所属していたことがある
20. 5本指ソックスを持っている
21. サーフィンしたことがある
22. 震度5以上の地震を体験したことがある
23. 財布を無くして戻ってきたことがある
24. 親知らずを抜いたことがある
25. 双子の友達がいたことがある
グループ内で話が弾み、盛り上がる答えがたくさんありました。例えば4の芸能人にあったことがあるは、えっ!そんな場所で!とか、15の楽器が弾けるもトランペットやカホンなど意外な楽器が出てきてちょっとびっくりしました。
◆ライフサークル
Art:人生の歩みを振り返る 作品、コラージュの制作
今までの人生を振り返ってみて、目を閉じてゆっくりと 「楽しかったこと」 と 「つらかったこと」 をいくつか思い浮かべてみました。
それらの出来事を通して、このことがあったから今こうしていられるんだ、これを乗り越えたからこそ、今の自分があるんだという気持ちを思い起こして、時系列に並べて作品に作り上げていきました。
「楽しかったこと」は思い出すことも作品にする作業も簡単かもしれませんが、「つらかったこと」はなかなか自分の中で咀嚼しきれていない部分もあるなぁと気付かされました。
このワークは個人的なものなので、他の人と共有するものではなく、あくまで自分の中にある自我と真摯に向き合う作品作りです。他の方の作品は拝見していませんが、自分の人生を見つめ直すいい機会になりました。
当日、あいにくの悪天候で、遠方から来られなくなった参加者の方もいて残念でしたが、講義が終わる頃には雨も止み、みなさんの表情もセミナーを通して少し晴れやかになったように感じられました。
今日学んだメソッドを脳トレ大学にも活かせると良いなぁと思いつつ、あっという間に今回の絵画造形療法セミナーも終了してしまいました。スー・リー先生、とても楽しい講義をありがとうございました。