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音や音楽が人の感情に及ぼす影響には、快不快がある程度明らかな普遍的な部分もあれば、極めて個別的なものもあります。人には元来音楽を楽しみ、それに反応する能力が備わっています。音楽は直接感情に働き掛け、気持ちをオープンにし、自己実現を可能にする特性を持っています。
また音楽活動は運動を伴いますので、身体的リハビリテーションの一つと見ることができますし、集団での活動ではコミュニケーション能力の向上も期待できます。時間芸術(瞬間芸術)であり、身近な存在である音楽のこうした特性は、音楽療法の幅広い適用を可能にし、盛んに実践されています。
音楽療法は二つに分類されます。音楽鑑賞など、外刺激としての音楽を治療的に用いる「受動的」音楽療法と、歌唱、合奏、即興演奏など、音楽活動を対象者自身が行うことによる「能動的」音楽療法です。
受動的音楽療法は、芸術療法の他の領域には見られない音楽療法独自のものです。音楽を聴いて病気が治るのかと言われると難しいところですが、不安な気分を和らげたり、血圧を下げたりといった効果が期待できるのは事実です。
どのような音楽が効果的かと言いますと、これは昔からさまざまな研究がなされた結果、結局「自分の好みの音楽」が最適であると言う結論に達しています。自己完結の世界です。集団を対象とした受動的音楽療法が難しいゆえんです。病院待合室、職場などでのBGMの使い方や環境音楽の研究も盛んに行われています。
能動的音楽療法は対象者の年齢、悩み、病気の種類により目的も方法論も多岐にわたります。
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