ホーム > アーツセラピー:心理劇
心理劇は「筋書きのないドラマ」です。心を現実のしがらみから解き放ち、「自分とは何か」を見つめ直す「設えられた舞台」です。参加者は十人前後。ドラマですので監督、スタッフ、主役、脇役、観客が必要になります。心理劇は、ウオーミングアップ、ドラマ、シェアリングの三部で構成されます。
まずは監督(主として治療者)主導で、体操、遊び、自己紹介、思い出話などのウオーミングアップを行います。監督は、集団の緊張感を解きイメージを引き出し、主役を選びます。
主役は、ドラマの場で悩みの解決を自発的に希望する人がいれば最適です。監督をはじめ参加者全員が主役の自由な表現を保障し、安心して演じることができるようにフォローします。
例えば、母親との関係に悩む女性が主役になったとします。主役は参加者の中からあらかじめ選んだ母親役に自分の思いを吐露します。相手がそれに応え会話が進むうちに主役が幼いころのある出来事(例えば虐待)が浮上したとします。監督はすかさず場面を過去に戻し、その時に主役が母親に対して訴えたかったことを話してもらいます。
気持ちをうまく表現できない場合、別の参加者に一時的に自分の気持ちを推し量り代弁してもらったり、もう1人の自分役を選び話をしてもらったりします。それにより自分を客観的に見ることができます。
また主役と母親役が役割を交換し、お互いの気持ちを述べ合う手法も用います。相手の立場になって考えるわけです。過去の自分に直面し再体験することで、悩みが和らぎ、周囲との新たな関係づくりの手がかりが得られる場合があるのです。
シェアリングでは、参加者全員がドラマについて、それぞれの気持ちや体験を分かち合います。
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